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【質問】 現場ではタスク管理の導入に抵抗があるようです。どうすればよいでしょうか?

記事ID:2599

AIサマリー:
この記事では、現場でのタスク管理導入に対する抵抗に対処する方法について説明しています。抵抗の原因として、タスク管理が業務に適さない場合や、タスク概念が組織に馴染まない場合が挙げられます。解決策としては、リーダーシップを発揮し、小規模から始めることが推奨されています。また、タスク管理の利点や導入のメリットを正しく理解し、現場に適したアプローチを取ることが重要です。

タスク管理導入の現場でこの質問を受けることがあります。質問としていただかないまでも、タスク管理の導入に対する現場の抵抗に導入担当者が悩みを持っていると感じることがあります。

この記事では、そのような状況に対処する方法について書きます。

現場が覚える違和感とは

現場から抵抗は、タスク管理に対して感じる違和感がもとになっています。違和感を覚える状況はいくつかに分かれます。

タスク管理が向いていない業務に適用しようとしている

まずあるのは、実際にタスク管理が、その現場にはふさわしくないという状況です。例えば、非常に創造的な環境で行われる調査、研究、実験などの場合です。こうした業務においては、タスク管理を導入するコストに見合うメリットが存在しないかもしれません。

しかし多くの業務においてはそのようなことはなく、タスク管理によって予定を見極め、実績時間をとらえて予実を管理すること、あるいは業務を可視化することのメリットはあるはずです。

タスク管理の効果は期待できるが、タスク概念がなじまない

タスク管理の効果は期待できるが、タスク概念が組織になじまない状況が次に考えられます。タスクとは、REDMINEのチケットで言うならば、誰かが担当し、ある時点で初めて、またある時点で完了するもの、そして、前後関係を識別するような業務の塊です。そのようなタスクという塊に業務を落とし込む習慣がなければ、そのことに対して現場が抵抗を感じることはあり得ることです。

しかし、例えば、受注産業を例にとると、何らかの一連の仕事が、顧客からの注文に対して見積もられて、その結果、顧客から受注しています。そして、当然、その見積には根拠があるはずです。その根拠とは、どのような人がどれくらい働くか、そしてその人はいつ頃からその受注のために働くことができるのか、必要な資材はいつ到着するかなどの予測であるはずです。その予測に基づいて受注しているのですから、そのような予測が実現できる環境や条件を満足することが受注側の責任です。その予測ができないのであれば、実はその見積には根拠がなく、その受注の収益性には根拠がないことになります。しかし、無謀な受注でない限り、予測はあるはずであり、タスク化というタスク管理の前半は、その予測をあらかじめタスクに落とすだけのことです。

では、組織になじまないという問題に対して、どう対処すれば良いか。答えは単純で、「誰かがリーダーシップをとって始めるということ」です。部門全体や企業全体でタスク管理を始める場合であれば、そのリーダーシップは部門長や経営者が発揮するべきでしょう。

余談になりますが、筆者(依田)の個人的体験を少しばかり説明します。筆者は、建設業の一種であるエンジニアリング会社の出身ですが、そこでは、従業員一人一人が毎日終業時に自分が何のために何時間(30分単位)働いたかをタイムシートを記入していました。「何のために」の部分では単なる作業分類ではなく、担当している個別のプロジェクトを選択し、そのプロジェクトに対して何時間働いたかを記入します。この場合のプロジェクトはタスク管理でいうところのタスクにかなり近い粒度です。

実力のある技術者は、このプロジェクトをたくさん記入しますから、タイムシートを見るだけでそのことがわかります。人気投票のような面もありますから、実力のある技術者は多少の面倒臭さあっても、プロジェクトを記入することにほとんど抵抗はなく、むしろ誇らしかったのではないかと思います。このような文化をどうして築くことができたか。理由は単純です。誰も自分が入社したときにそのシステムが存在したから、そのようなやり方をごく自然に受け入れたのです。

ですから、タスク管理は、あまり心配せずに、責任のある方が一言「やる!」と宣言すれば、ことは滑り出すと思います。案ずるより産むが易し、です。当サイトの記事「【事例】 受注型製造業とREDMINE」で紹介しているのもそのようなケースです。

タスク管理を誤解している

最後の状況は、タスク管理が誤解されている、という状況です。

導入に当たり、タスク管理の概略について説明を受けると、いろいろと心配になるものです。現場の担当者の心配の例として、一番よくあるのは、「実績時間を付けるチケットがなければどうなるのだろう」というものでしょう。チケットが存在しなければ実績時間が記入できず、給与や支払いに影響するのだろうか、という心配です。

しかし、その心配は無用です。今後、当サイトの記事で取り上げますが、チケットがない場合であっても、作業分類ごとに実績時間を付けることができます。ですから、ある日にチケット作業を7時間行ったが、1時間は客先からの電話を受けて対応した時に、その1時間をチケット外の時間とし、合計8時間勤務とすることができます。

その他の心配としては、チケットを扱う手間に関する心配が良くあります。つまり、担当者にとっては、実績時間の入力に手間がかかるのではないか、管理者からすると、予定タスクをスケジュールとして入力する手間がかかるのではないか、などです。

これらの手間は確かにプラスアルファとして必要になるとは言えます。しかし、実績にしろ予定にしろ、たとえば、Lychee Redmineなどのプラグインを導入すれば、入力がマウスのドラグアンドドロップで済むような工夫が随所でされています。また、スケジュールを入力する手間ですが、タスク管理を導入しなければその時間が節約できるのでしょうか。そんなことはないはずです。実際には、管理者がエクセルで同じようなスケジュール表を目的別に複数作ったりしていないでしょうか。もしそうであれば、REDMINEに一度入力するだけで、さまざま角度からスケジュールを出力することができて、しかも、情報は完全に一元化されリアルタイムで共有されます。

導入に伴う新規の手間を心配するよりも、一回の手間で、他のすべての作業を省力化してしまうことを考えるべきでしょう。

対処方法のまとめ

この記事の目的は、冒頭の質問に答えることでしたので、どうすればよいかという質問に答えます。

  • タスク管理があきらかに向いていない状況であれば、導入を避ける
  • タスク管理はリーダーシップのもとに始める
  • ねらいは大きくともスモールスタートする

たとえ、経営者のリーダーシップのもとに始める場合でも、ロードマップは描きつつ、スモールスタートを行うことを推奨します。つまり、着眼大局着手小局です。

当サイトでは、VisiWorkサービスのメニューを紹介しています。手助けが必要であれば、ここに紹介しているサービスの起用を検討してください。スモールスタートを優先するのであれば、クイックセットアップサービスがあります。ロードマップ作りからしっかりとやるなら、コンサルティングで課題分析と解決策の検討(1~3か月)を行うことをご検討ください。

この記事に関する質問やご意見がありましたら、当サイトお問い合わせページまでお寄せください。

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