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【解説】コスト効果の高いPMSを導入する (REDMINEユースケース その3)

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PMSとしてのREDMINE

プロジェクト管理の世界でPMSと言えば、Project Management System(プロジェクト・マネジメント・システム)のことです。

当サイト(VisiWork)のテーマであるタスク・プロジェクト管理もこのプロジェクト管理に属する概念であり、VisiWorkの中心的なツールであるREDMINEもPMSであると言って差し支えないと思います。

しかしながら、プロジェクト管理の伝統的な分野では、「PMSとしてのREDMINE」という受け止め方はされておらず、Microsoft Projectや、あるいは建設・エンジニアリング産業で主に使用されているハイエンドツールであるOracle Primavera P6などが、まずは思い起こされるところであろうと思います。

もちろん、PMSということでは、国内海外を問わず、他にも優れた製品が数多く存在しています。

そうした状況にあって、REDMINEがPMSとして、あるいはその代替製品として少しずつ関心を持たれ始めていると感じています。

REDMINEのプロジェクト管理機能

REDMINEは、これまでソフトウェア開発において主に使用されてきたツールであり、ルーツはバグトラッキン(障害追跡)システムです。したがって、前述の伝統的ツールと比較するとプロジェクト管理機能として十分とは言えない面があります。

例えば、リソース管理機能です。リソース管理機能とは、作業者、機械、建物など、プロジェクト活動に必要なリソース(資源)を管理し、プロジェクト・スケジュールに照らし合わせて、リソースの量が確保されているかなどを把握する機能です。また、リソースが理由でスケジュールが実現できない場合などは、リソースの範囲内に収まるようなスケジュールを求める、「リソース山積み山崩し」機能はよく知られています。

REDMINEで管理されるリソースは、人、つまり担当者のみです。担当者については、たとえば、Lychee Redmineでは、工数見える化という機能によって、ガントチャート上で工数オーバーなどの状況を確認できるようになっています。

ですから、リソース管理について本格的な機能が必要であれば、REDMINEが選択肢にはなりづらいでしょう。

PMSの代替あるいは補完としてのREDMINE

前述の限界はあるものの、VisiWorkサービスでお客様の相談に応じる中で、前述の本格的なPMS製品に代わるもの、あるいはそれを補完する製品として、REDMINEへの関心が高まっていると感じています。

その理由の一つにコストがあると思います。REDMINEは、オープンソース・ソフトウェアですから、無償で利用することができます。ガントチャートなどの使い勝手を考えるとLychee Redmineのような有償プラグインが必要となりますが、通常お勧めするプランでは価格が10ユーザーあたりの月額で12,000円です。これと、その他の製品や、特にハイエンド製品と比べると大きな開きがあり、これがPMSの代替製品の一つとして検討される大きな理由であると考えられます

もちろん、前述のリソース管理機能のように、やや不足と考えられる部分はありますが、そのような機能が必要とされる場合は、従来のPMS製品を使用し、そうでない部分では、スケジュールを連携させることでREDMINEを活用することが考えられます。そうすることで、全員がWEBを介して詳細スケジュールを参照・更新する、また同じく、WEB経由で実績工数を入力して、その結果をBIで分析するといったニーズに応えることができるからです。

スケジュール管理の民主化ニーズ

全員でスケジュールを参照・更新したいというニーズについて書きましたが、実は、この点こそ前述の価格という魅力を超えてREDMINEに関心がもたれる本質的理由ではないかと感じます。

従来型PMS製品では、プロジェクト・マネージャのロールが際立って大きなものとなっています。例えば、プロジェクト・マネージャだけが、スケジュールを更新できるようになっていて、そのために、特別のモジュールやサービスを購入しなければなりません。

この背景には、客先の要望・意向を受けたプロジェクト・マネージャが、全権をもってスケジュールを決めるという役割モデルがあります。

しかし、当サイトの記事、PMBOK第7版がタスク・マネジメントにもたらす意味とは で、書いたように、大規模なプロジェクトのスケジュールが、それすなわちウォーターフォール型という時代は終わろうとしています。いまは、ステークホルダーの利益を中心に、利害関係者の衆知を集めてスケジュールを検討しなければならない時代が来ています。

REDMINEは、特にプロジェクト・マネージャの権限に着目した機能構造にはなっていません。WEB型のシステムですから、いったん導入すれば、世界のどこからでも、システムの運用に参加し、適切な権限管理の下でプロジェクトに参加することができます。

最近、PMS製品であるMicrosoft Projectのサーバー系機能や製品が充実してきていますが、その役割モデルや対応したライセンス体系が複雑すぎるように感じます。

これからは、スケジュール管理の民主化ニーズに対応できる製品がより評価されるだろうと思います。

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